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瀬戸内サーカスファクトリーの活動紹介、現代サーカス情報提供など


by circusdo

なぜ、クラウドファンディングに挑戦するのか?

こんにちは!瀬戸内サーカスファクトリー、ディレクターの田中です。
今日は、どうしても自分自身の言葉で皆様にメッセージを伝えたく、ブログで文章にすることにしました。

【塩江は、愛しい温泉町】
すでにご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちはいま、クラウドファンディングCAMPFIREで、
「上西現代サーカスアーティストインレジデンス『Shiono-Air』」

開設のため、チャレンジ中です。キャッチコピーは
「人の足が遠のく温泉郷に、現代サーカスで活気を取り戻す」です。

この数年来、住民の方々と仲良くしていただいている高松市塩江のさらに奥、上西地区という場所にある廃校を、日本初の滞在型サーカス創作拠点にしようというもの。
北海道から移住した自分にとって、地域の方が「田中さん、なんでそんなことしてるん?」と興味をもって声をかけてくれること以上に嬉しいことはありません。塩江の上西の皆さんは「サーカスはよくわからんが、田中さんがやっていることを応援したい」と言ってくださいました。
2016年に旧上西小で「YA!」という作品の本格的な滞在制作を行ってからご縁ができ、時折お邪魔して色々な事業を行っている間にも、塩江では温泉が、店が、閉まっていきました。かつて、三味線の音が夜な夜な聞こえてきたという温泉郷から、少しずつ灯が消えていくのは、自分にとっても辛いことでした。
ある時、サーカスの力で恩返しをしてみせる!やるならここでやりたい!と心に決めました。

【瀬戸内サーカスファクトリーはクラウドファンドなんて必要ないでしょ?】
ありがたいことに最近、瀬戸内サーカスファクトリーの活動が広がりをみせ、さまざまなメディアに取り上げていただいたり「絶好調だね」と言われることも少なくありません。
なので、「瀬戸内サーカスファクトリーはクラウドファンドなんてやらなくても、十分支援を得ているのでしょう?」と思われる方もいるかもしれません。

私たちの活動は、確かに多岐に渡り、広がっています。
それは自分が2004年に「現代サーカス」に出逢い、2011年から瀬戸内に移住してその文化を日本に誕生させ、育て発展させるために、必要なことに取り組んできたからです。

私たちは芸術団体なので、作品創作が何よりも大切です。
しかし、すぐれた作品を日本で創り発表するには、まずアーティストが生きていけなければならない。また、日本人アーティストに足りない技術や創作経験を増やしていかなければならない。発表の機会と、ファンを増やさなければならない。安全を支え、表現を豊かにするための技術者養成と、器具製作も必要-、とやるべきことは山積みです。

こんなことを、孤立無援ではできないし、地域の力を借りなければ無理です。でも逆に、サーカスのもつ魅力や求心力を使えば、過疎化する町や新しい文化政策を必要とする場所に、何かをもたらせるかもしれない。

【クレイジーだけど、頑張れ~1つめの石を置く。】
自分はフランスで文化を間近で見てきた人間なので、なぜフランスでは地方の津々浦々に文化拠点が整備され、田舎にいても創作が可能なのだろう?と不思議でした。
そして、実はフランスの場合、国の文化戦略で、国をあげて数十年かけて文化の「脱中央集権化」を実現した、ということがわかりました。
それを日本にあてはめてはどうか、と思ったのです。
東京に集中する文化を地方に分散することで、アーティストの動きは多様化し、安い生活費で好きな地方に住むことができ、住民は地方にいながらにして文化に触れられる。
「それって国がやることでしょう?個人でやろうとしているの?」
フランス人の友人たちはそう言いました。しかし、私がこの8年瀬戸内でやってきたことを見て、次第にエールを贈ってくれるようになりました。

クレイジーだけど、頑張れ。

公共でやることを民間の、こんな小さな団体がやる。
Why not?
1つめの石を置くこと。それが何より重要だと思うのです。
その石が増えるかどうかはわからないけれど、1つめの石がなければ、その次は絶対にないのだから。

【多岐に渡る、私たちの活動。でも等身大なんです】
私たちの活動を図式化するとこんな感じです。↓
なぜ、クラウドファンディングに挑戦するのか?_d0242540_11342663.jpg
主要な活動は①「滞在制作(創作)と研修」=つまり、いま準備しているSHIONO-AIR、②「フェスティバル」、そして③同時に準備している「リバティキッズ☆ジム」=つまり子どものサーカス教室です。
私たちの主軸になる事業は非営利なのですが、それを支えるための営利事業を、誇りをもって行う、これが今、目指している姿です。
アーティストが生きていくための仕組み(アーティストやトレーナーとしての職づくり)、サーカスを広め、地域を元気にする仕組み。
すべては繋がっていて、ある意味では壮大なビジョンですね。

しかし、ひとつひとつは等身大の小さな規模で始めています。
事業を大きくすることが目的ではないからです。
自分が何をしようとしているか、実際にやってみないと他の人には伝わらない。

【公共とは、民衆が作り上げるもの】
このビジョンは、とても公共性の高いものだと思いませんか?

公共とは、「お上が」やるものではありません。Public=民衆の力、こそが、もともとの「公共」の意味ですから、草の根から立ち上がることこそが、公共だと思うのです。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでは、文化や地方におりる予算に勢いがあります。でも、その後はぱったりと途絶えることがはっきりと予想されます。
その先、私たちの生活は終わらない。
文化も終わらせてはならない。
だから、私たの文化を、公共を、自分たちで作る仕組みを、みんなで作らなければいけないのです!

そのための必死の努力を続けていますが、まだまだ、私たちの活動は安定しておらず、ちょっとしたつまづきで倒れてしまう可能性を秘めながら、
それこそ綱の上を歩くように、汗ダラダラ流して進んでいるのです。

なぜ、クラウドファンディングに挑戦するのか?_d0242540_11541796.jpg
長くなってしまいましたが、読んでくださって、ありがとうございます!

私たちのクラウドファンドは、趣味でやっているのでもなく、プラスアルファでやっているのでもない、真剣勝負です。
この活動に共感していただけるなら、このクラウドファンドに是非ご協力くださいませ。

http://camp-fire.jp/projects/86356/activities
2018年11月15日までです。

何卒よろしくお願い申し上げます!

一般社団法人瀬戸内サーカスファクトリー
代表理事 田中 未知子

by circusdo | 2018-10-20 11:59 | 瀬戸内サーカスファクトリー