POST Corona – Setouchi Circus Factory’s vision and plans from 2020
(Michiko Tanaka,director)
The world has been shaken since February and now we keep asking to ourselves if what’s happening is real and we can hardly believe being able to go back to the same world as before.
Spring had come. Having time to think objectively made me believe that it is a message from the Invisible Hand to us to “convert”:convert our attitudes, convert ways of life…
Then I’ve started to be convinced that each of us should be active to change the world.
Like underground magma, my thinking was fluid and I could not make a voice since February.
Today, finally, I could draw my plans with words.
It’s still rough, but I’d like to write them down on May 9th, 2020.
What can Setouchi Circus Factory do?
What can performing arts do?
How can we save artistic creations and expressions?
What communities are asking for?
Setouchi Circus Factory from 2020
Topics and keywords in 2020
- Let's step out from small art communities
- How performing arts can contribute to the environment?
First theme is what we are dealing with since last year. Second theme stands for our responsibility who live / have lived Corona experiences.
- Let's step out from small art communities
- How performing arts can contribute to the environment?
This is one of the challenging issues from this year.
Setouchi Circus Factory have experiences to organize AIRs and performances on different sites and under different conditions.Then we realized that these are not always eco-friendly but we have never really taken a solution.
To make a first step forward, we will organize workshops and sessions with experts on environmental protections, then try to take these new measures during our creations and performances.
I’m planning to attack these projects from this autumn (from October, I assume), depending on social circumstances.
Also, archiving and presentation of these projects will be important.
<Other projects>
As a core member of Circus Asia Network (CAN), I’d like to play a role to clearfy our aims and specificity and to make organization management stable.
With Circostrada, European network in circus and in street arts, I’d like to introduce our unique activities and points of view from Japan and from Asia.
Finally, I could make a clear voice by getting out of chaos!
Now, we know that new era will start whether willing or not!
Let’s maximize our imaginations because the imagination is the biggest gift from heaven for human and is the source of ingenuity and creativity.
POSTコロナ ― 2020年からの、瀬戸内サーカスファクトリーのビジョンと計画
今年2月から、世界が同じウィルスに揺さぶられ、現実だと信じていた世界が実は現実ではなかったのでは?少なくとも、以前に「現実」と信じていた世界には戻れないのでは?と考えてしまう日々。
春になり、少し時間が経ってくると、これは転換せよという、「見えざる手」による働きかけではないか?世界や宇宙のなかで、小さく弱弱しい存在である自分でも、何か行動すべきなのだ、と思うようになりました。
思いめぐらせ、描き、迷い、なかなか声にすることができませんでした。少なくとも2か月の間、思考はマグマのように溢れて入り混じり、無声の叫びにしかならなかったのです。
今日、ようやく、図を描くことができました。言葉による図を。
まだ雑駁ではあるけれど、ここに書き綴りたいと思います。2020年5月9日。
***
瀬戸内サーカスファクトリーに何ができるか?
舞台芸術に何ができるか?
どうすれば創造と表現を救えるのだろう?
地域は何を求めている?
「2020年からの瀬戸内サーカスファクトリー」
2020年のキーワード:
「アートの小さな世界を飛び出そう!~社会のなかのアート、社会とつくるアート」
「どうすれば舞台芸術は環境に貢献することができるのか?」
1つめは、昨年から発展してきたテーマ。
2つめは、コロナ禍の世界に生きた責任として。
「アートの小さな世界を飛び出そう!~社会のなかのアート、社会とつくるアート」
このテーマに即して、今年から、具体的な取り組みを行う。
新しいプロジェクト「SPARC!」(Setouchi Performing Arts-in-Residence Community)は、これまでの瀬戸内サーカスファクトリーの10年の活動で生まれた、地域パートナーとの連係事業となる。
瀬戸内(まずは香川県内)で、異業種施設のパートナー(市町村の文化政策セクションや民間のマルシェ、旅館業、飲食業、建築家など)と連携し、現代サーカスの滞在制作が出来る環境づくりを整える。技術的な部分やレジデンスの経験値は瀬戸内サーカスファクトリーが提供し、何年かかけて、ユニークヴェニュ―で色とりどりの現代サーカスや舞台芸術のレジデンスを可能にしていく。
瀬戸内の島、山あい、絶景に立つ古い旅館、酒蔵跡など、なかなか体験できない創造空間に身を置き、豊かな食や自然にめぐまれた環境での滞在制作を提供していく。
2020年は各パートナー施設で長短の滞在制作を実際に行う。
この環境と人材を今後、より安心して生きる形になるよう、必要や目標を1年かけて定めていく。
また、さまざまな産業との連携も進めていく。
2年前に、高松で大型クレーンのアームや基盤などを製造する香西鉄工所との出逢いにより、高い技術力を誇る、日本の製造業のエンジニアたちとのコラボレーションが始まった。いつもは100mにも及ぶ巨大機械を扱う会社が、我々の空中芸用の躯体の製作に取り組んでくれたのだ。
これはサーカスの創造には大きな希望だし、これからもラボは続く。
産業連携の目的は、それぞれの企業は、社会の競争で打ち勝つ高い技術力をもっている。そんなプロフェッショナルの力を借りないのはもったいない!
それだけではない。
目的は、普段、アートに関わりの少ない業種とのかかわりを増やすことで、今までにないファン層をつくり、協力者を生み出す。
舞台芸術をひとりぼっちにしない、そのためには、世の中のたくさんの人に関わってもらうのが一番だ。
「どうすれば舞台芸術は環境に貢献することができるのか?」
これは新たな、大きなテーマになるだろう。
瀬戸内サーカスファクトリーも10年近く、あらゆる環境で滞在制作と公演を試みてきた中で、滞在制作やフェスティバルは決して環境に優しくない、なんとかしなければならないと感じてきた。
しかし、これまでは大きな解決策に着手することはできなかった。
今年は、環境への取り組みの専門家、活動家の方を招き、勉強会やトークセッションから始め、まずは滞在制作と創作の際に取り組めるポイントを明確化し、実践してみる。
社会の状況次第ではあるが、これらのプロジェクトは今年の秋(10月~)以降を目指して準備を進めている。
また、これまでにできなかった詳細な記録とわかりやすいアーカイブ化、またその発表にも力を入れる。
ほか、
アジアネットワーク「CAN」の設立コアメンバーとして、目指すもの、特殊性をより明確化する提案と、ネットワークとしての組織運営の安定化に役割を果たしたいと考える。
ヨーロッパネットワークCIRCOSTRADAには、アジアや瀬戸内の独自の展開、考えをもたらせる存在としてかかわっていきたい。
***
ようやく、声を出せました!
さぁ、泣いても笑っても、新しい時代が始まります!
想像力を総動員しましょう。
想像力は工夫と創造の源であり、人間が天からもらった最大のギフトですから。
今日は、どうしても自分自身の言葉で皆様にメッセージを伝えたく、ブログで文章にすることにしました。
【塩江は、愛しい温泉町】
すでにご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちはいま、クラウドファンディングCAMPFIREで、
「上西現代サーカスアーティストインレジデンス『Shiono-Air』」
開設のため、チャレンジ中です。キャッチコピーは
「人の足が遠のく温泉郷に、現代サーカスで活気を取り戻す」です。
この数年来、住民の方々と仲良くしていただいている高松市塩江のさらに奥、上西地区という場所にある廃校を、日本初の滞在型サーカス創作拠点にしようというもの。
北海道から移住した自分にとって、地域の方が「田中さん、なんでそんなことしてるん?」と興味をもって声をかけてくれること以上に嬉しいことはありません。塩江の上西の皆さんは「サーカスはよくわからんが、田中さんがやっていることを応援したい」と言ってくださいました。
2016年に旧上西小で「YA!」という作品の本格的な滞在制作を行ってからご縁ができ、時折お邪魔して色々な事業を行っている間にも、塩江では温泉が、店が、閉まっていきました。かつて、三味線の音が夜な夜な聞こえてきたという温泉郷から、少しずつ灯が消えていくのは、自分にとっても辛いことでした。
ある時、サーカスの力で恩返しをしてみせる!やるならここでやりたい!と心に決めました。
【瀬戸内サーカスファクトリーはクラウドファンドなんて必要ないでしょ?】
ありがたいことに最近、瀬戸内サーカスファクトリーの活動が広がりをみせ、さまざまなメディアに取り上げていただいたり「絶好調だね」と言われることも少なくありません。
なので、「瀬戸内サーカスファクトリーはクラウドファンドなんてやらなくても、十分支援を得ているのでしょう?」と思われる方もいるかもしれません。
私たちの活動は、確かに多岐に渡り、広がっています。
それは自分が2004年に「現代サーカス」に出逢い、2011年から瀬戸内に移住してその文化を日本に誕生させ、育て発展させるために、必要なことに取り組んできたからです。
私たちは芸術団体なので、作品創作が何よりも大切です。
しかし、すぐれた作品を日本で創り発表するには、まずアーティストが生きていけなければならない。また、日本人アーティストに足りない技術や創作経験を増やしていかなければならない。発表の機会と、ファンを増やさなければならない。安全を支え、表現を豊かにするための技術者養成と、器具製作も必要-、とやるべきことは山積みです。
こんなことを、孤立無援ではできないし、地域の力を借りなければ無理です。でも逆に、サーカスのもつ魅力や求心力を使えば、過疎化する町や新しい文化政策を必要とする場所に、何かをもたらせるかもしれない。
【クレイジーだけど、頑張れ~1つめの石を置く。】
自分はフランスで文化を間近で見てきた人間なので、なぜフランスでは地方の津々浦々に文化拠点が整備され、田舎にいても創作が可能なのだろう?と不思議でした。
そして、実はフランスの場合、国の文化戦略で、国をあげて数十年かけて文化の「脱中央集権化」を実現した、ということがわかりました。
それを日本にあてはめてはどうか、と思ったのです。
東京に集中する文化を地方に分散することで、アーティストの動きは多様化し、安い生活費で好きな地方に住むことができ、住民は地方にいながらにして文化に触れられる。
「それって国がやることでしょう?個人でやろうとしているの?」
フランス人の友人たちはそう言いました。しかし、私がこの8年瀬戸内でやってきたことを見て、次第にエールを贈ってくれるようになりました。
クレイジーだけど、頑張れ。
公共でやることを民間の、こんな小さな団体がやる。
Why not?
1つめの石を置くこと。それが何より重要だと思うのです。
その石が増えるかどうかはわからないけれど、1つめの石がなければ、その次は絶対にないのだから。
【多岐に渡る、私たちの活動。でも等身大なんです】
私たちの活動を図式化するとこんな感じです。↓
私たちの主軸になる事業は非営利なのですが、それを支えるための営利事業を、誇りをもって行う、これが今、目指している姿です。
アーティストが生きていくための仕組み(アーティストやトレーナーとしての職づくり)、サーカスを広め、地域を元気にする仕組み。
すべては繋がっていて、ある意味では壮大なビジョンですね。
しかし、ひとつひとつは等身大の小さな規模で始めています。
事業を大きくすることが目的ではないからです。
自分が何をしようとしているか、実際にやってみないと他の人には伝わらない。
【公共とは、民衆が作り上げるもの】
このビジョンは、とても公共性の高いものだと思いませんか?
公共とは、「お上が」やるものではありません。Public=民衆の力、こそが、もともとの「公共」の意味ですから、草の根から立ち上がることこそが、公共だと思うのです。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでは、文化や地方におりる予算に勢いがあります。でも、その後はぱったりと途絶えることがはっきりと予想されます。
その先、私たちの生活は終わらない。
文化も終わらせてはならない。
だから、私たの文化を、公共を、自分たちで作る仕組みを、みんなで作らなければいけないのです!
そのための必死の努力を続けていますが、まだまだ、私たちの活動は安定しておらず、ちょっとしたつまづきで倒れてしまう可能性を秘めながら、
それこそ綱の上を歩くように、汗ダラダラ流して進んでいるのです。
私たちのクラウドファンドは、趣味でやっているのでもなく、プラスアルファでやっているのでもない、真剣勝負です。
この活動に共感していただけるなら、このクラウドファンドに是非ご協力くださいませ。
http://camp-fire.jp/projects/86356/activities
2018年11月15日までです。
何卒よろしくお願い申し上げます!
一般社団法人瀬戸内サーカスファクトリー
代表理事 田中 未知子